アニプリジュニア選抜合宿、朝食風景(千跡、真・柳・切原)
「ここいいか」
「真田じゃねーの、久しぶりだな」
「おっ、久しぶりだね真田くん〜」
「そうだな。蓮二、赤也、こちらが空いているぞ」
「ふむ、ではおじゃまするとしよう」
「おはようございますッス!」
「ではいただくとするか」
ばしゃっ。
『!!?』
「っわあああ、真田副ぶっちょーー!!」
「おい真田・・・!」
「ん? 何だ二人とも」
ばしゃっ。
「わわわわ、柳先輩までーーーー!!!」
「なっ、柳も何してんだよ……!」
「む? どうしたんだ跡部に赤也、食事の途中で立ち上がるなど、無作法だぞ」
「二人とも、あれほど外でやったらダメだって言ったじゃないスか!!」
「そういえばそうだったな弦一郎」
「すまんな赤也、次からは気をつけるとしよう」
「ああ〜もう……
……すんません、俺がうっかり漏らしたばっかりに、今部内で流行ってるんスよー」
「……それがか?」
「まー美味しいよね〜、ネコマンマ」
「……まさか、お前もやるのか千石」
「え、朝急いでるときとかね。マジで結構いけるよ? やってみる?」
「……俺の前でそれやったら、二度と口聞いてやらねえ」
「ええ〜!」
とばっちり千石。
fin.
ウチの立海ではネコマンマが大フィーバーですよ。うっかり赤也がそんな話をしたのをきっかけに、真田、柳を始め、仁王、ブン太までする始末。ジャッカルは味噌汁が嫌いなのでしたくないけど、強制的にブン太にかけられるという。(哀れ) 柳生は皆に勧められても紳士らしくやんわりとお断り(笑)
ちなみに、ウチの切原は真田を「副ぶっちょ」と呼んでそれはもう慕っています。(可愛い……!)
そうそう、大阪ではご飯に味噌汁かけるのをねこまんまと言わないそうで。地域でいろいろ違うもんだな〜とネット始めてよく思います。御座候とかね。
仲良し立海(ブンジャ、柳生仁王、真田+赤也+柳)
ブン太「おい、ジャッカル!」
ジャッカル「? 何だよ」
ブン太「俺を背負え」
ジャッカル「はあ?」
ブン太「いいから背負えっつうんだよ! ハゲ、早くしろよ」
ジャッカル「あ、ああ……(疲)」
赤也「ブン太先輩、ジャッカル先輩、チーッス!って何してんすか?」
ジャッカル「何って……俺が聞きたいよ……」
ブン太「目線合わせてんの」
赤也「目線?」
ブン太「ウチって俺と赤也以外みーんなでっかいやつばっかだろ。いい加減見上げんのも飽きたっつーか、首痛くね?」
赤也「ああ〜それ分かるッス! こうやって立ったまんまミティーングとかしてると攣りそうになりますよね!」
ブン太「だろ! お前なら俺の気持ちが分かると思ったぜ〜 だから、こいつに背負わせてやろうと思って」
ジャッカル「いや俺は別に背負いたくは……」
赤也「いいな〜ブン太先輩! むしろ真田ふくぶっちょたちよりも高いッスよ。いいな〜!」
ブン太「いいだろ〜!」
真田「珍しく早いな、赤也」
赤也「あ、真田ふくぶっちょ! おはよーございます!」
真田「ああおはよう。……ところでお前たちは何をしているのだ」
ジャッカル「や、えーと、あの、ブン太に言わ」
ブン太「(余計なこと言うなハゲ!) ええと、トレーニング!」
真田「トレーニング?」
ブン太「そうそう! 足腰を鍛えるために考えたんだ。な、赤也!」
赤也「そ、そうッス! 体力づくりにいいかな〜と思って」
真田「そういうことか……ふむ。赤也、俺の背中に乗れ」
赤也「ええっ、いいんスか!?」
ジャッカル「(騙されてるよ真田……)」
真田「良いもなにも、トレーニングなのだろう。確かに足腰を鍛えるには良さそうだしな!」
赤也「(わ〜やった〜!)」
ブン太「あ、赤也ずりいぞ! 俺より高え〜」
赤也「ふふ〜ん、だってふくぶっちょの方が高いッスからね! 俺もブン太先輩より高いし」
ブン太「おいジャッカル! もっと上げろよ! つうか背伸ばせよ!」
ジャッカル「無茶言うなよ……(ていうかお前が伸ばせよ……)」
真田「ふむ、これはなかなか体力を使いそうだな」
柳生「おはようございます」
仁王「おはよーさん」
赤也「おっはよーございまーす」
真田「おはよう」
柳生「ええと、皆さんおそろいで何をなさっているのですか」
赤也・ブン太「トレーニング!」
真田「トレーニングだ」
ジャッカル「(最早何も言うまい・・・)」
柳生「トレーニング、ですか?」
真田「そうだ。ブン太が考えたのだ。足腰が鍛えられるぞ」
ブン太「体力づくり、ってね!」
柳生「(と言いつつ、一番体力に心配のある丸井君が背負われていますが……)」
仁王「……ピヨ」
柳生「仁王君? どうしたのですか」
仁王「いや……何でもない」
柳生「……、それでは仁王君、私に背負われて下さいますか?」
仁王「柳生、いいのか?」
柳生「勿論です。私の背中でよろしければ……」
仁王「柳生……!」
柳生「仁王君……!」
ブン太「あーはいはい、背負うだけでメロドラマ展開すんなよ〜」
赤也「あー! 仁王先輩が一番高いッス! ずーるーいー!」
仁王「ふふん。当たり前じゃ。な、柳生?」
柳生「そうですね」
ブン太「仁王降りろよー! そんな背たけえ奴が乗るなんて反則だぞー」
赤也「反則ッスよー!」
仁王「プリッ」
真田「ところでこのトレーニングはいつ終わりにするのだ?」
ジャッカル「…………さあ(汗)」
そんなおんぶ6人組からちょっと離れたところにて。
柳「……何だあれは」
fin.
こんなおばかな立海が好きです……! 立海に限っては、いっつもこんな小ネタを考えてばかりいます。
ブン太はジャッカルにだけ横暴だといいです。「ハゲ」って呼ぶのが愛情表現。(違)そんなブン太に虐げられつつも結局言うことを聞いてあげるジャッカル(笑) 赤也は真田が一番好きで、柳も加わって三人揃うとまるで家族みたく仲が良い。でも私は気持ち柳真派。
真田は困るとすぐに「れ、蓮ニー!」と慌てふためく。(す、すいませ……!皇帝の面影もない) そんな真田を「うるさい弦一郎」と冷たくあしらう柳。
いえあの、二人とも何でも言いあえる親友ですよ……!
柳生と仁王はいつでもラブラブです。すぐにメロドラマに突入。主導権を握ってるふうで、たまに紳士な詐欺師に変貌する柳生に振り回されてる仁王。普段は、押せ押せな仁王に、柳生が振り回されてたりする。
そんな立海が大好きです。(いろいろ間違っている気がするな……)
仲良し氷帝(オールキャラ)
忍足「……そんでな、俺言うたんよ」
岳人「侑士」
忍足「ん? なんや岳人」
岳人「首が痛い」
忍足「は?」
岳人「お前がデカ過ぎて見上げてるおかげで首が痛いって言ってんの!」
忍足「……なんつーかそれはがっくん、自分が背低すぎるっていう見方もできるんとちゃう?」
岳人「うるさいうるさーい! とにかくもう見上げんのが嫌なんだよ! しゃがめよ侑士!」
忍足「はあ? しゃがむって……」
岳人「それなら目線も同じになるじゃん! ほ・ら・しゃ・が・め・って!」
忍足「おわっ……、ったくしゃあないなあ」
岳人「えっへっへ、これなら同じだぜ〜 あ、樺地! おっはよー!」
樺地「ウス」
岳人「樺地もこっち来いよ。あ、しゃがんでな?」
樺地「……ウス」
忍足「悪いな〜樺地、岳人が俺たちと立って話しとると首痛いて文句言うてなあ」
樺地「ウス。大丈夫……です」
日吉「……(何やってるんだこの人たち)……おはようございます」
忍足「おはよーさん」
岳人「あ、おはよー日吉。こっちこっち!」
日吉「いえ、練習がありますので……」
忍足「ええやん、まだ始まってへんし〜」
岳人「そうそうまだ誰もやってないじゃん。樺地、そっち抑えて!」
樺地「……ウス」
日吉「うわあっ」
岳人「よっしゃ日吉捕獲〜!」
日吉「……はあ」
忍足「(なんだかんだ言って日吉は岳人に弱いんやな)」
宍戸「お前ら一体何やってんだよ」
鳳 「おはようございます!」
岳人「あ、宍戸に鳳じゃん。おっはよーう! まあしゃがんでしゃがんで〜」
鳳 「は、はあ、じゃあお言葉に甘えて……」
宍戸「だから、 どうしてこんなとこに集まってんだって聞いてんだよ」
忍足「そうかりかりすんなや、ゆっくり座って話したる」
宍戸「そんな長い話なのかよ……」
岳人「日吉、そっちつめてー」
日吉「……はい。(何でこんなことしてるんだ俺)」
忍足「ま、話せば短いんやけど、俺とかタッパ高いやつと話しとると、首いとうなるってがっくんが」
宍戸「ふうん、で?」
忍足「だから俺にしゃがめ言うて、こういう結果にな」
宍戸「……何だよそんだけかよ。激ダサだな!」
岳人「あー!バカにしやがったな! お前だって、長太郎と話してると首痛くなるってこの間言ってたじゃんか!」
鳳 「そ、そうなんですか宍戸さん! す、すみません俺気づかなくて……!」
宍戸「ぐわーもう!お前余計なこと言ってんじゃねえよ! 長太郎も、気にすんじゃねえぞ」
ジロ 「ふわあああああ。皆おはよー…… あーなんか皆で輪作ってたのしそー。仲間にいれて〜」
岳人「おっ、ジローは話が分かんのはえーな」
宍戸「っておいジロー! こんなとこで寝るんじゃねえよ!」
ジロ 「んあ〜? だって皆寝転がってるんだもん。ぐー……」
宍戸「寝てねえよ! しゃがんでるだけだろうが! 聞けって!」
ジロ 「……ぐー……」
忍足「いつものことやけど、早いな」
鳳 「そうですねえ」
跡部「…………お前ら何やってるんだよ」
岳人「あ、跡部〜! おっはよー」
忍足「おお、はよーさん」
宍戸「おっせーぞ」
鳳 「おはようございます」
樺地「ウス」
日吉「……おはようございます」
跡部「ああ。で、何でしゃがみこんでんだアーン?」
忍足「やや、そこに見えるは跡部さんやないの、ささ、一杯一杯」
岳人「一杯一杯〜!」
跡部「飲み屋のオヤジみてえなこと言って、ポカリ差し出してんじゃねえよ。ミーティング始めるぞ」
忍足「冷たいわ〜 つーか、ミーティングならこのままでも出来るやろ」
岳人「そうそういいじゃんこのままで!」
跡部「……まあ、いいぜ。仕方ねえ」
岳人「(やった! これで皆と同じ目線〜)」
跡部「ところで宍戸」
宍戸「ああ? 何だよ」
跡部「お前そうやってしゃがんでると、チンピラみてえだな」
宍戸「ああ?! 何だよそれ!」
一同「……(確かに)……」
宍戸「何だよテメエら! 黙って見てんじゃねえよ!」
跡部「ミーティング始めるぞ」
宍戸「跡部、お前も言うだけ言って流してんじゃねえよ! あーもうムカつくな!」
(そして10分後)
跡部「…………飽きた」
岳人「え?」
忍足「そやなあ」
宍戸「飽きたっつーか、疲れねえかこの体勢」
鳳 「そうですね……さすがに足が痛くなってきたかも」
岳人「ええっ?」
日吉「……(やっと気づいたのか)……」
樺地「ウス……」
ジロ 「ぐー」
跡部「それじゃあこれでミーティング終了」
樺地「ウス」
岳人「ええええっ!!」
宍戸「ふう、やっと終わりか。っと、あー疲れたー!」
鳳 「足痺れちゃいましたよ〜 柔軟しなきゃ」
岳人「ちょっと待てよ! もう終わりなわけ!?」
日吉「……コート入ります」
忍足「ほな解散ってことで。ジロー、起きや」
ジロ 「うう……らじゃ〜」
岳人「え、おい、侑士まで……! ちょ、待てってば! せっかくおんなじになったのにー!」
忍足「ほらがっくん、練習するで〜」(←もうすでに大分遠い)
岳人「…………」
「皆のケチー!!!」
fin.
立海おんぶ話を考えていて思いついた氷帝バージョンの話。
皆でしゃがんで輪になってる様はそりゃもう可笑しいと思います。(笑) 何あのかわいい不良集団……!みたいな。宍戸さんは男前なのでさぞ似合うと思うんですけど。
こんな下らないことをやってる氷帝も大好きなんですが、あんまり書く機会がないな〜 頭の中ではいっつもこんな感じのイメージなんですが(笑)
走れ、最果て(せんべ)
「はい跡部くん、こっち向いてー」
「は?」
手塚と二言三言交わしていた跡部は、千石の言葉に反射的に振り向いた。
練習試合の打ち合わせだって分かってても、もう飽きちゃったよ。
千石は、跡部の肩を掴んできちんと自分の方に向かせ、
きょとんとする跡部と両手を繋ぐ。
一度微笑みかけると、手を引っ張って身体を傾けさせた。
そして、触れるように口付ける。
「じゃあね手塚くん!」
跡部と手塚が我に変える前に、千石は跡部の手を引いて、攫うように駆け出した。
「……千石!」
照れたような怒ったような、跡部の声が風に流れる。
千石は笑ってなあに!と斜め後ろを見やって尋ねた。上機嫌だ。
「てめえ後で覚えてろよ!」
「あはは、おっけー!」
そう啖呵を切っておきながらも、けして手を離さない君が好きだ、と千石は思う。
手をしっかり握って、ぐんぐんスピードを上げた。
街の風景は消えた。。夕暮れの情景も消えた。
握り返してくれる、優しい手の力があった。
「どこ行こうか!」
離したくなくて、千石はいつまでもこの時間が続けばいいと思った。
跡部はすぐに答えず、少しの間ぱたぱたと二人の駆ける足音が響く。
困らせたかな、そう思って千石が振り返ろうとすると、
「最果て!」
と、無邪気な声が返ってきた。
千石は、まるで映画の台詞みたいだ、そう思って、
本当に跡部と行けたならどんなに素敵だろうと、先を見つめた。
今度は千石が黙ったのに気づいて跡部が、お前本気で行く気かよ、と笑った。
うんそうだよ。
心の中で、千石は祈るように、頷く。
俺と君の最果てが1センチでも近いなら、俺は行けるとこまで君に、君を。
好きでいるよ。
fin.
『本日の置き土産』としてtopにあったもの。好き、って言ってもらえたので探して拍手のおまけにもってきました(笑)。
駆け落ちってああなんかちょっとロマンスですよね!(笑) 下らなくてどうしようもなくて、でも、この年齢だけには許されてしまうような、逃避行めいたものも書いてみたいなあ。
『フィールドオブドリームス』のような、あんな大胆さが、書いてみたい。
「最果て」という言葉がこのときちょっとブームでした。多分、そこに着いたらもう引き返せないという寂しさと、随分遠い目的地だという希望がそこにあるからかな。
小さな夢(せんべ)
「俺さー夢があるんだよね」
「ふうん」
「なんか興味がないみたいだね……
あのね〜、まだちょっと無理なんだけど、俺今頑張ってるからさ! 近いうち必ず叶えるからね!」
「……一体何なんだよ」
「おっよくぞ聞いてくれました!
千石くんの夢はね〜、跡部くんをお姫様だっこすることなんです!」
「……」
「あっ、何その握り締めてる拳は! わー待って待って!
まだ何もしてないじゃん!」
「……つーか、お前さ、それ当分無理なんじゃねえの?」
「え」
「だって、桃城のジャクナイフ、両手でも返せなかったしよ。てことは俺のだって返せるわけねえし」
「うっ」
「俺はパワーSだけど、お前はAな上、油断持ちだからBに下がるときもあるしな」
「スマッシュヒットの話を持ち込まなくても……!」
「あ」
「今度は何ですか跡部くん……」
「俺がお前のことお姫様だっこしてやろうか?」
「……ぎゃーダメダメ! 俺が最初にしてあげたいのー!
わ、ちょっと跡部くん? 本気じゃないよね?! 何その笑みはー!!」
千石、危機。
fin.
……跡千? きっとこの後、「うーでもちょっとならだっこされてもいいかも」って千石が呟いて、結果殴られるんだと思います(笑) 公式の体格的に、千石がだっこされる方だと思うんですが〜
あでも、新生・千石清純なら出来るかもしれない……!(笑)
たまには跡部だってね(せんべ)
「跡部くん」
「……」
「あっとべくーん」
「……」
「あーとーべーくーん!」
「……うるせえバカスミ」
「あ、やっと口聞いてくれた〜」
「やっと、じゃねえよ。俺は明日からテストなんだよ。
大人しくしてるって言うから、いさせてやってんのに、少しは静かにしてろバカ」
「がーん! だってあまりにもヒマなんだもん。いいよ俺めげない……!」
「少しはめげろ。へこめ。反省しろ」
「ねーちょっとでいいから俺の相手してよ〜」
「嫌だ」
「ちょっと! ほんのちょっと!ね?ね?」
「……じゃあ俺に腕相撲で勝ったらな」
「なんかもう本気で嫌なのが窺えるんですけど……
俺勝てるわけないじゃん! せめてじゃんけんにしようよ〜」
「何がせめて、だ。一応お前ラッキー千石だろうが。
それこそお前の勝ちに決まってる」
「じゃあ、あっち向いてホイ」
「まあ、それならいいか……っておい、ちょっと待っ」
「いくよー じゃーんけーん、ぽい、あっちむーいて、ほいっ!」
「やたー!勝ったー!!」
「……お前、あっち向いてホイでもじゃんけんあるじゃねえかよ!!」
fin.
たまには、こういうマヌケな跡部でもいいかなーなんて。
千石がテスト前のときは、「教えて〜」って結局跡部の家に来るんだと思います。で、なんだかんだ言いつつ教えてくれる跡部。
そしてまた、こういうゲームして負けるんですよ……!(笑)お勉強しよう。
君を呼ぶ(塚跡)
「手塚」
「……」
「手塚」
「…………」
「てーづーかー」
「……何だ」
「お前呼ばれたら一回で返事しろって言われなかったのかよ」
「跡部……、確かに親にはそう言われたし、俺はなるべくそれを守っているつもりだが、」
「だが?」
「呼ばれて返事をしてみても、用はないなど言われてはな。
少しは大人しくしていろ」
「なあ、さっきので何回目だ?」
「……14回目だ」
「お前なら絶対数えてると思った。じゃああと一回な」
「? 何だ」
「手塚、誕生日おめでとう」
「…………………」
「今日、誕生日だろ」
「……ああ」
「顔赤いぜ、どうしたよ」
「跡部……大変嬉しいが、次からはこうもっと普通に……心臓に、悪い」
fin.
手塚お誕生日SSSでした。
結構前から書き残しておいたやつだったのですが、すっかり忘れていて、でもちゃんと誕生日には陽の目をみました。(笑)良かった……
牡丹と薔薇1(せんべ)
「ねね、跡部くんは牡丹と薔薇、どっちが好き?」
「薔薇」
「…………」
「何だよ」
「…………ごめんッ俺、香世みたくはなれないよ!!」
「はあ?」
「気が強くて金遣い荒くて、牡丹が可哀想すぎるじゃん!」
「はあ!?」
「あんなヒドイのにはいくらなんでもなれないよ…… 君の要望に応えられなくてごめんよ……!」
「なあ」
「いやいいんだよ、でもそんな香世でも俺はちょっと跡部くんみたいだなーって許しちゃうんだよね!」
「だから」
「うん、やっぱりぼたんか香世かって聞かれたら迷っちゃうな〜」
「だから香世って誰だよ……」
fin.
休みの日には、笑っていいともから始まって、ごきげんよう、昼ドラを見る千石。
跡部はきっと『牡丹と薔薇』自体知らないだろうな〜(笑) これを書く際、名前を調べるためにHPにいった記憶が・・・・・・
牡丹と薔薇2(氷帝)
「誰だ! 部室のビデオデッキ勝手に使ってる奴!」
「あ、俺や俺〜」
「アーン!? お前かよ忍足!」
「そうや、なんやビデオ回収するの忘れとったわ〜 監督に見つかる前で助かったわ。おおきに」
「おおきに、じゃねえよ! 勝手に備品を使うな!」
「今家のん壊れてるんよ〜 ええやんかちょっとくらい」
「なになに、ゆーし何録ってたの?」
「お、岳人、よう聞いてくれた! あれや〜『牡丹と薔薇』や」
「マジで? あれおっかしいよな! 見して見して!」
「あー『牡丹と薔薇』だ〜」
「なんやジローも知ってるん?」
「朝起きるとたまにやってる〜……」
「……それは朝ちゃうでジロー」
「なんかハチャメチャな展開なんだけど、気になるんだよなーコレ!」
「ぼたん可哀想だよね〜……」
「由岐雄もうちっとしっかりせなあかんよなあ」
「そういや香世がさー……」
「……なんなんだこいつら……」
『牡丹と薔薇』談義に花咲く中、跡部は一人呟いた。
fin.
跡部はきっと『牡丹と薔薇』は知らないよ……!
忍足は毎日予約録画してたと思います(真顔) 千石より昼ドラに詳しいよ絶対。
エースを狙え!(千石と忍足)
「あれさーちょっとダメだよね〜」
「はっきり言ってフォームはまるでなってへんよな」
「のわりに、球のスピードが速かったりしてねーCGってすぐ分かるよね」
「ところで、忍足くんは誰が好き?」
「俺かー? 俺はお蝶夫人や!」
「へ〜 確かに可愛いよね。お嬢様だし、ピアノ弾けるとことか跡部くんみたいだしね〜」
「最後のは聞き流しといたる。俺は、脚が好きやんな。きっれーやろ、こうスラッとしててな」
「……なんか話がマニアックになってきた」
「自分よりましや。そういう自分は誰好きやの? 千石キヨスミ」
「俺はね、お蘭」
「はー……まあ、なんつーかあれやな」
「へへ、分かるでしょ」
「わっかりやすすぎやろそれ」
「だって気の強そうなとことか、ねえ、」
『跡部(くん)に似てるから』
fin.
跡部が付き合ってくれない(そもそも話が通じないだろう)、ドラマの話を忍足とたまに話してるんですよ千石くんは。
で、こっそりさりげなくのろけも交えるんですが、忍足には効かない様子。でもいいんだ聞いてもらえれば。(千石談)
カラオケ大会〜君に捧げる歌〜(せんべ)
一曲目。
「愛してる〜のひーびーきーだけで、つよくーなれーる気ーがした〜よ♪」
「……期待に満ちた目で見んな。うっとうしい」
二曲目。
「もう二度とーはーなーれーない〜抱き合いちかーあった〜♪
(省略)
〜あーなーたの〜風になって〜すーべーてをー包んであげーたい〜♪」
「じりじり近寄って来るんじゃねえ……!」
三曲目。
「〜ふぉーざらっきぃ〜えんざすとろん〜♪」
「for the lucky and the strong だろ。発音がなってねえんだよ」
四曲目。
「〜君はぼくの〜シンデレラ、っさ!♪」
「人様を指で指すなって教えられなかったかアーン?」
ラスト。
「だんだん心ひかーれーてーく 、自分でも不思議なんーだーけーど、
何かあるとすーぐに、君に〜電話ーしたくーな〜る♪
ぜんぜん気のないふ〜りしてーも、結局君のことーだけーみてーた♪〜」
「……」
「あ、なんかこれって跡部くんが歌った方が似合、いてっ!」
fin.
一応ウチの千石さんは昔の歌が好きということになっています。すべて、是非千石に歌って欲しい曲です。跡部のために(笑)
巨人ファンなんです(せんべ)
「跡部くん〜!」
「ああ?」
「番長って188センチもあるんだって身長!」
「すげえな! 俺より10センチも高いのか」
「うわ〜大きいね番長。さすが!
それとね、番長って同期の桑田とKKコンビって言われるんだよ!」
「へえ」
「でね、俺たちもKKなんだよね! 景吾と清純でKKだよすごくない!?」
「なかなかいいことに気づくじゃねえの」
「でしょー!」
「でもあれだな、お前は桑田っていうより、元木だな」
「ええー!!? それって番長の子分じゃんー!」
「ちょうどいいだろ」
「ていうか、跡部くんが番長で決まり〜? ……まあそれっぽいか」
「アーン?」
「いえ曲者元木で構いません、はい」
fin.
番長こと清原が好きな二人。きっと開幕戦もレプリカユニフォーム着て応援していたと思います。もちろん跡部もです。
大声出してワイワイ騒いで、中学生らしい彼らもかわいいなあ。
柳蓮ニの休日 1
柳の朝は早い。
台所から包丁のこつこつと心地の良い音、味噌汁の良い匂いがする。
暖簾を持ち上げて中を覗いてみると、一人の中年の女性が台所の前に立っていた。
おはようございますと柳が声をかけると、あら、とその背中が振り向く。
「蓮ニさん早いのね。ご飯もう少しで出来るから、あ、それと、」
「いえ、大丈夫です」
言葉をやんわりと遮って、柳は微笑み、そこを後にする。
広い畳の居間に足を運ぶ。大きな樫のちゃぶ台の前に、テレビが置いてあった。
柳は腰を下ろしあぐらをかくと、テレビのスイッチを入れた。チャンネルを回してニュース番組に合わせる。
音を低めにして、しばらく眺めていたが、ふいに思い立ち、玄関へ向かった。
戻ってきた柳の手には新聞があった。朝刊を取ってきたらしい。
柳はおもむろに新聞を開くと、ときどき考え込むような仕種をして読みふけった。
そして目ぼしい記事を読んでしまうと、綺麗にたたんで座卓の上に置いておき、お盆にまとめられたお茶の用意一式に手を伸ばす。
ポットにお湯が入っているのを確認して、急須にお茶の葉を2さじ入れる。お湯を注ぎ、伏せられていた湯のみのひとつをひっくり返して、八分目まで淹れた。
ふう、と息を吹きかけてゆっくりと口に含む。飲み下すと身体がふわりと温かくなった。
時折お茶に口をつけながらテレビを見ていると、とん、とん、とん、と階段を降りる音が聞こえてきた。
溝を滑る音がして、ふすまが開いた。
「何だ蓮ニ、もう来ていたのか」
浴衣姿の、普段からはなかなか想像できない、寝癖で髪の乱れた真田が、まだ少し眠たそうな顔をして現れた。
来ているなら起こしてくれれば良かったのに、と、髪を片手で直しながら言う。
そんな真田を見上げながら、柳は手にしていた湯のみの中身に息を吹きかけた。
「いや、まだ時間はあるしな。おはよう、弦一郎」
「ああ、おはよう」
ふと、真田は台所の方を振り返った。
「ん、蓮ニ、朝は」
「食べてきた。新聞はそこだ。それと、茶をもらっている」
「それは構わないが、そうか、じゃあもうしばらく待っていてくれ」
そういい残すと真田は居間を離れた。かすかに声が聞こえる。
おばさんに挨拶をしているのを思って、柳はお茶を飲み干し、少し昼寝でもするかとぼんやり考えたのだった。
fin.
真田の家で好き勝手するれんじ…… すでに真田の家の子です。(笑)
真田父と真田母にも気に入られて、家にはいつも勝手に出入りしてる。手伝いもするし、真田よりかは表情が柔らかいので、「蓮二くんは弦一郎より愛想があっていいわー」なんて言われて真田母に気に入られてるんじゃないかしら。
真田の家は大きな木造の家がいいなー。昭和時代のような。
柳蓮ニの休日 2
「よく来たな。さ、上がれ」
上がりかまちの上に立ち出迎えた柳の姿に、仁王と柳生は目を瞬き、顔を見合わせた。
「……はあ」
「……ええと、おじゃまいたします」
今日は部活ミーティングで、休日だったがレギュラー陣が真田宅に集まることになっている。
仁王は何でじゃ、と首をかしげながら靴を脱いで上がった。そんな仁王の様子に気づき、柳生も何ででしょうね、と首を傾げてみせる。
先を行く柳は、二人に構うことなく居間へ案内した。そこには、他の者の姿はなかった。
座れと促されて、仁王と柳生は奥の方、庭を背にして座卓の前に落ち着いた。
柳は、出入り口の襖近くに腰を下ろす。
「他は? つうか、真田は?」
仁王が尋ねる。
「ん? 他はまだのようだな。赤也は寝坊したと連絡があったから、遅れるだろう。弦一郎はもう少ししたら来る」
もう少ししたらって、と仁王は思う。柳生は困ったような笑顔をしていた。
と、柳が気づいたように、
「ところでお前たち」
と切り出した。
やっと俺たちが不思議に思っていることに気づいたのか、そう仁王は思い、
「な、何じゃ」
と警戒するように答える。
すると柳はちゃぶ台の下から湯のみやら急須、お茶の葉の缶がのせられたお盆を出し、
「喉が渇いているだろう。今茶を淹れる」
とてきぱきと用意し始めた。あっという間に熱い緑茶が仁王と柳生の前に出された。
「ど、どーも」
「ありがとうございます」
いや、と柳は自分の分に口をつける。
そこで柳生があ、と声を上げた。自分の脇に置いていた紙袋を座卓にのせる。
「そうです、忘れていました。お菓子を持ってきたのですが、ゼリーなので冷やしていただいた方が……」
「そうか、ありがとう。それでは冷蔵庫にいれておくか。実はようかんを冷やしていてな、それと一緒に後で頂こう」
「ええ、よろしければ」
柳生が差し出した紙袋を柳は受け取って立ち上がった。
同時に、タイミングよく玄関のチャイムが鳴る音がした。
「ん、弦一郎か?」
まあ茶でも飲んで楽にしてくれ、そう柳は言うと、紙袋を持って襖の向こうへ消えた。
柳と柳生の会話、そして柳が居間を出て行くのを黙って見ていた仁王が、足を崩しいつも通りの猫背に姿勢を戻して、口を開く。
「……何で、柳に渡したんじゃ」
どこか拗ねたふうに見えるのは気のせいじゃないなと柳生は思う。お茶に口をつけながら、少し笑った。
「いえ、なんていうか、その方が早い気がしまして」
冷たくなくなってしまいますから、と温かいお茶の飲み下す。
それを見、まあそうじゃけど、と仁王も倣うようにしてお茶に口をつける。
「茶の用意すんのも手馴れとるし、そもそもこんなに自由にしてるのが不思議じゃ。つーか勝手に他所んちの冷蔵庫開けとんのかウチの参謀は」
眉根を寄せて言う仁王に、柳生は、声に出して小さく笑うと、
「いやあ美味しいですねこのお茶」
とのん気に言った。
fin.
自分の家のように真田宅で振舞う柳に、少し焼きもちに似た感情を抱く仁王。柳生仁王前提です。
でも実際、れんじの馴染みっぷりをはじめて見る人はちょっととまどうと思います。冷蔵庫はね……他の家のは開けられませんよふつう。
でも夏はきっと麦茶を勝手によく出して飲んでいるだろうし、もうそろそろなくなるなあと思ったら、大きな薬缶で麦茶を作ってると思う。
気がきくなれんじ!(笑)
「今日のあとべ1」 〜もし跡部と千石が立海生徒で、同じクラスだったら〜
すとん、と俺は跡部くんの前の席に収まった。
椅子に身体を横にして座り、上体をひねって跡部くんの机に両肘をつく。手のひらに顎を落ち着け、じっと見つめる。
跡部くんは五分休みが始まるなり、読みかけの文庫本を出してページを繰っている。
ふたつ前の休み時間に尋ねたところよると、昨日発売されたばっかりの新刊だそうだ。
先が気になって仕方ないみたいで、いっこ前の休み時間にぐいっとネクタイを引っ張ってちょっかいを出してみたら、
バカって言葉が飛んでくる前に空いた片方の手がぐーで飛んできた。
いくらなんでもぐーはねえっすよひどいよーって言ったら、そんなにうるさくしなければ近くにいてもいい、だって。
なにこれ横暴だ、って思うんだけど、結局俺はみっつめの五分休みの後もこうして跡部くんのとこにやってきている。
「跡部くーん」
「んー」
「今日の練習、走りこみだって〜 超走るって真田くんが張り切ってたよ」
「ふうん」
「あ、昨日ウィンブルドン見た? 杉山勝ったよー」
「知ってる」
「そういえばね、波田よーくが昼ドラに出るらしいよ」
「知らねえ」
「……」
「……」
「武勇伝、武勇伝、ぶゆうでんでんででんでん、」
「れつごー」
ほんと跡部くんきみはさあ。
何だかんだ言って俺に付き合ってくれるんだから、いいひとだよね。
fin.
ぜったい跡部はやってくれないと思うけども。(むしろ知らないよね)
“跡部と千石が立海に高校入学して、立海メンバと仲が良かったら”という妄想はいつでもしています。
「今日のあとべ2」 〜“次長課長”の卸市場のまぐろネタを見て〜
「跡部くん、俺と一緒にコンビ組んでお笑いってどうよ」
「嫌だね」
「やっぱ即答かあ。でも最近さ、見た目かっこいい感じの人、お笑い増えてるよね」
「ふーん知らねえ」
「ほら、さっき見た次長課長の片方、女の子に人気あるんだよー。オリラジとかキングコングとかもそうだし」
「だから知らねえっつうの」
「跡部くんがもしお笑いになったら、もうネタやらなくても立ってるだけで人気出ちゃうね〜
じちょかちょで言えばやっぱり井上の位置だよね」
「じゃあ、お前が河本か」
「えーうん。仕方ないねえ。いいよそれで」
「……いや、やっぱりここは俺が河本になる」
「へっ? なんで? 井上が天然だから? まあ確かに性格は跡部くんっぽくないけどさー
イケメンはこっちだよ?いいの?」
「そんなことはどうでもいい。そうじゃなくて、さっきのネタ」
「ネタ? まぐろのやつ?」
「そう、それだ」
「井上がまぐろの役でー、しゅーっと床を滑ってくる……」
「踏みたいから。それを」
「……、あの、それはええと、俺が跡部くんの足元に滑り込む役になるということで、つまりは、俺を踏」
「がしっとな、こうがしっと踏んでやるから」
「跡部くん、俺たまーにものすごーく思うことがあるんですけど、跡部くんって俺のこと好きですか……?」
fin.
ちゃんと好きだよ!(笑) 次長課長、結構好きです。ネタ分からなかったらすみません……
「今日のあとべ3」 〜ゆるやかに床で転がる物語〜
「ねーえー」
「なんだ」
そうはっきりと聞き返されると千石は一瞬口ごもった。
ええと、と言葉を継ぎ足して、跡部の後頭部をつまらなさそうに見つめる。
「なんで寝てんのー」
うつ伏せに上体だけを起こし、肘をついた手に顎をひっかけた体勢でふうっと唇をとがらせて息を吹きかけた。
自分の後ろ毛を揺らしたその吐息を跡部は振り返らずに手だけ回して払うようにすると、
「ごろごろするんだよ今日は」
とようやく身体をよじらせ、仰向けになった。手の指を組み合わせ腹の上におき、こて、と首を傾けて千石を見ている。
「俺が遊びにきたのにそれはないでしょーが」
「知らねえよ、とにかく俺は今日ここでごろごろする」
ふくれっ面で言う千石を意に介さず、跡部は静かに目を閉じた。
額の真ん中で分けた髪がゆるやかに脇へ流れている。
手を伸ばし、その髪を控えめになぜ梳くようにしながら、遊ぼうよ、と千石がねだると、一人で起きてろ、とそっけなく返された。
「ええーつまんないよー。じゃあ俺も寝る」
「だめだ。俺が、ごろごろしてえんだよ。お前は何かしてろ起きてろ」
「なんで俺は寝ちゃいけないのさ」
「どうしても」
やたらゆっくりと、最後の言葉を発音すると、跡部はまた身体の向きを変え、千石に背を向けてしまった。
まったく。
横暴だなあ、とその背中を見つめながら千石は思ったが、同時に筋の通らない跡部の理由がなんだか可笑しくて、
気づかれないように笑いを漏らすと結局近くにあったテニス雑誌を引き寄せて暇を潰すことにした。
本当に寝るわけではないのだろうと、今まで昼寝に付き合ったことのすらない千石は時折跡部に話しかけながらページをめくる。
跡部が身体を倒して、真上を向いたのをちらりと目に映す。跡部は、話しかければ簡単に短く返事をしてくれた。
「ねーあとべくん、っと」
ふと雑誌から顔を上げると、そのまま千石は口元を手で押さえた。
少し前から返事がなかったことに今気づいて、もしかしたらと思い、跡部の顔を覗き込む。
「寝たのかな」
ささやくように呟いて、顔を少し近づける。途端、ぱちっと音がしたかと思われるほどしっかりと目が開き、じっと千石をとらえた。
「なんだよ」
「うわあ!」
不意打ちにびっくりした千石は身体をぶるっと震わせると、ああもう、とうめいて心臓のあたりを撫でさすった。
「ちょう心臓に悪かったよ今の……! 寝てなかったんでしょ」
「いや、一瞬寝た」
悪びれた様子など一向に感じられない跡部は、目をぱちぱちと二、三ど瞬かせ小さく欠伸をし、伸びをすると一息ついた。
そして無造作に頭をかきながら、つかれた、と意味もなく呟いた。
疲れたの?と千石がそれを拾うと、別にとぼんやり頭を振る。
「じゃあ起きて俺と遊ぼう! 一緒にやろうと思って今日これ持ってきたんだよ〜」
「あーん、なんだよそれ、クロスワードかよ」
横からささっと派手な表紙の雑誌を取り出した千石に、跡部が面倒臭げな声をあげた。
ほらほら、と千石が早速ページを開いて指で指し示し、跡部の顔を見つめ、期待に満ちた顔で笑う。
その様子に跡部はけして表情を崩してやることはしなかったが、仕方ねえなといつもより容易く了承し、
よいしょっと身体を反転させ、千石と同じような体勢を取って雑誌を覗き込んだ。
余談。
数十分後、三時のおやつを持ってやってきた跡部の執事は、ベッド脇のフローリングの床で寝転び、
仲良くああでもないこうでもないとクロスワードに熱中する二人の姿を目撃することとなる。
fin.
無意味にごろごろする跡部。跡部にもそんなときがあるといいな〜
でもやっぱりごろごろしてるのは性に合わなくて、なんだかんだ言ってすぐに千石の相手をしてくれるんだと思います。
This fanfiction is written by chiaki.